みやじーブログ

中古マンションリノベーション、ライフハックなどなど

【書評】死都日本 〜火山災害が恐ろしすぎる〜

スポンサーリンク

 20XX年、九州の霧島火山で破局的噴火と呼ばれる直径20km規模のカルデラを作る大噴火が起こる。この大噴火の予兆を掴んだところから、噴火後の復興に向けて動き出すまでの火山学者や総理大臣の奮闘が描かれる。火山学者は火山の近くにいるとき噴火が起き、友人の新聞記者とともに車で続けます。この火砕流からの逃避行からは、サージという熱風や火砕流という全てを押し流す破壊的な災害の恐ろしさが生々しく伝わってきます。総理を中心とした日本政府としての噴火対策の動き、救助の方法なども、自衛隊装備を中心にかなり綿密な調査を基にした作品でした。(一部SF的な奇策も含まれてますが。。。)

○サージ
 火山噴火というと、マグマがドロドロ出たり、火砕流が建物を破壊するイメージが強いと思いますが、実は火砕流より先にサージが人々を襲います。サージとは火山ガスと火山灰を含んだ非常に高温の熱風です。時速100キロを超える速度で移動することもあるそうで、まず逃げ切ることは不可能です。温度も300度以上になることもあり、襲われた瞬間に人間は即死です。地上にいる場合は、窓のない頑丈な建物の中にいない限り、まず助からない。

○火砕流
 サージを生き延びても、火砕流がやってくる。火砕流は100度~700度の岩石の破片が火山ガス、水蒸気、空気と混合したもので、時速数十~200Kmで流れてくる。サージを地下避難で生き延びても、火砕流が来た時点で即死である。岩石や土砂は10m以上も積もることがあるので、建物の2階3階くらいの避難では意味がないだろう。

○ラハール
 火砕流を生き延びても、雨が降ってくるとラハールが襲ってくる。ラハールは火砕流で積もった土砂や岩石が雨で流されて土石流となって襲ってくるものです。作中でも山奥の温泉街に逃げ込んで火砕流を生き延びた人々が、ラハールに建物ごと飲み込まれるシーンがある。大噴火でパニックになっている中で、こんな得体のしれない土石流が襲ってくるなんてたまったものではない。

○火山灰
 九州で起こった大噴火の火山灰は翌日には東京まで届き、最終的には北海道以外ほとんどの地域が火山灰に覆われてしまいます。灰が降ったなら振り払えばいいじゃん、という簡単な話ではないのです。東京でも数センチ屋根に火山灰が振り積もり、その後雨が降ると水を吸った火山灰はものすごい重さになり、家を押しつぶしてしまうのです。田んぼや畑も全滅で食糧危機に陥ります。さらに、世界的な気温の低下による農作物の不作、食糧の価格高騰で、暴動に発展すると言われています。

 地震の怖さは十分に分かっているつもりだったが、火山の怖さがここまでとは正直思ってもいなかった。確率は何百万年に一度だが、世界に何千とある火山の一つがこの本のような大爆発を起こしたら、人類存続の危機に陥ることは間違いない。自分の住む九州で大規模な火山噴火の警告が出された時、仕事もほっぽらかして、北海道に移住するしかないなと考えた一冊です。